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ボディビルダーが愛用する『ファットグリップ』効果と使い方を解説

ファットグリップは購入するべき?」
「どんな効果があるの?」
使い方や使う筋トレ種目は?」

そんな疑問に答える記事である。

ファットグリップは、海外や日本のボディビルダー・トップフィジーカーの間で有名な、グリップを太くする筋トレアイテムだ。
SNSなどで見かけて気になっている、もしくは購入を検討している人も多いだろう。

ただ、グリップを太くすることで具体的にどんな効果があるのか?本当に必要なのか?気になる点も多い。

また、せっかく購入しても正しい使い方をしなければその効果は低くなってしまう。

この記事では、

ファットグリップで得られるの4つの効果
ファットグリップの3つの使い方と使う種目
実際に使ってみた感想
購入をおすすめする人

について解説する。

↓結論↓

  • ファットグリップの効果
    →「腕を太くする(前腕・上腕二頭筋の強化)」 「より筋肉の収縮を意識できる」 「筋肉への新鮮な刺激
  • 使う筋トレ種目→腕の筋トレが最も効果を体感しやすいが、腕以外にも使える
  • 使い方
    →「使う期間と使わない期間を分ける」「ウォームアップセットだけ使用」「1種目だけ使用」
  • 値段は約4,000円、Amazonや楽天で購入可
  • おすすめする人
    →腕(前腕・上腕二頭筋)を太くしたい人、握力を強くしたい人、トレーニングがマンネリ化してきた人

ファットグリップは人気の筋トレアイテム

ファットグリップ

ファットグリップ(fat gripz)は、多くのボディビルダーやフィジーカーが使っている人気の筋トレアイテムだ

その名前(fat=太い)の通り、バーベルやダンベル、マシンの持ち手に付けることでグリップを太くすることができる

海外では以前からよく使われており、4度のミスターオリンピアに輝いたジェイ・カトラーやフィル・ヒースまでもが愛用している。
効果抜群のトレーニングアイテムなのだ。

また、IFBBプロボディビルダーの山岸選手やIFBBプロフィジーカーの湯浅選手が使用していることもあり、ここ数年日本でも知名度が上がりつつある。

使い方は簡単だ。

ファットグリップ自体はゴム製で中が空洞になっているので、切れ目の部分を手で広げてバーベルやダンベルにかぶせるだけである。

バーベルやダンベルに巻きつける以外にも、「マシンのグリップにつける」「ケーブルにつける」など工夫次第で非常に多くの使い方が可能だ。

ファットグリップ

ゴムはそこまで硬くなく簡単に手で広げることができるので、取り付け・取り外しも簡単だ。

またグリップ2つのみと非常にコンパクトなので、ジムなどに持ち運びが簡単である点も大きなメリットといえる。

ファットグリップで得られる4つの効果

ファットグリップを筋トレで使用することで得られる、4つの効果について解説する。

1.上腕二頭筋を太くする

ファットグリップを使用することで得られる最大の効果が、「腕を太くする」ことだ

具体的には、まず腕の筋肉の1つである上腕二頭筋に強い刺激を与えることができる。

ファットグリップを使って、ダンベルカールやバーベルカールなど上腕二頭筋を鍛える筋トレ種目を行う。そうすると、通常のグリップでは得られない強烈な刺激が上腕二頭筋に入るのだ。

言葉で説明するのは難しいが、より腕の力だけを使わされている感覚である。

[aside type="normal"]研究結果からも、太いものを握ることで腕の筋肉、特に上腕二頭筋と前腕の筋肉がより多く使われるということがわかっている。[/aside]

2.前腕を太くする

ファットグリップには前腕を太くする効果もある。

ファットグリップを使って、上腕二頭筋と同様腕を鍛える種目であるバーベルカールやダンベルカール、リバースカールなどの筋トレ種目を行う。
そうすることで、前腕の筋肉にも強烈な刺激を与えることができるのだ

これは、実際に太いものと細いものを握り比べてみるとわかりやすい。太いものを握る方が、明らかに前腕が疲れることがわかる。

太くたくましい前腕は、男性なら誰もが憧れるパーツだ。しかしその反面、前腕は筋肉の特性上身体の中で最も太くなりにくい部位の1つである。

そこでこのファットグリップを使うことで、太くなりにくい前腕も確実に太くする効果があるのだ。

また、当然前腕の筋力アップは握力アップにもつながる。

[aside type="normal"]効果は他にもあるが、上で書いた上腕二頭筋への刺激と合わせて「腕を太くする」のが、ファットグリップの最大の効果であり目的といえる。[/aside]

3.より筋肉の収縮を意識できる

ファットグリップの主な効果は上で書いた「腕への刺激」であり、最も効いているのを体感しやすい。
だが、実はこれ以外にもさまざまな効果が期待できる。

ミスターオリンピアのジェイ・カトラーは、ベンチプレスの際にもファットグリップを使用しているという

ベンチプレスで使用する時には、ファットグリップを巻きつけたバーはあえて強く握らずに前腕の力を少しゆるめて、手のひら全体でバーを押すようにしているそうだ。

そうすることで、通常のバーで行うよりもより大胸筋の収縮が意識できると述べている。

このときのポイントは、高重量ではなく低~中重量で行うことだ。その方が負荷のコントロールや筋肉の収縮を意識しやすいので、より効果的である。

ジェイ・カトラーのようにベンチプレスでなくても、マシンプレスやフライ系の種目にも同じように、筋肉の収縮を意識した使い方が可能である。

4.筋肉に違った刺激が入る

筋肉を大きくする上で最も重要なことは、「筋肉や脳を刺激に慣らさせない」ことである。

[kanren2 postid="2357"]

ファットグリップを使用してグリップの太さを変えるだけでも、筋肉には通常とは違った刺激が入るのだ。

そこで、ファットグリップを使ったり使わなかったりのトレーニングを繰り返すことで、トレーニングのマンネリ化・筋肉や脳の刺激への慣れを防ぐことができる。

結果として、より筋肥大させることができるのだ。

ファットグリップを使用する種目

筋トレ

ファットグリップを使うべき、また効果が高い種目を紹介する。

  • ★★★バーベルカール・ダンベルカール
  • ★★★マシンカール
  • ★★ハンマーカール・ケーブルハンマーカール
  • ★★リバースカール(前腕を鍛える種目)
  • ★ベンチプレス・ナローベンチプレスなどプレス系種目
  • ★トライセプスエクステンションなど上腕三頭筋のトレーニング

バーベルカールやダンベルカール

最もファットグリップを使う機会が多く、また効果が感じられやすいのはバーベルカールやダンベルカールだ

上腕二頭筋と前腕の筋肉、両方を鍛えることができる。

ファットグリップを使用することで、同じ重量でも普段よりかなり重たく感じるだろう。
また、これらの種目では通常そこまで前腕は鍛えられないが、ファットグリップを使うと前腕にも強い負荷をかけることができるのだ。

[aside type="normal"]ワンポイント→このとき、より上腕二頭筋を鍛えたい場合はサムレスグリップ(親指を使わない)にして、手のひら全体で握るようにするのがポイントだ。逆に前腕に集中的に効かせたい場合は、ノーマルグリップでギュッと握りこむようにするといい。[/aside]

下の動画は、バーベルカールやダンベルカールでファットグリップを使っている動画である。

マシンカール

マシンカールも、要領や効果はバーベルカールやダンベルカールと同じである。

小さいジムだとそもそもマシンカールがない場合が多いが、もしある場合はマシンのグリップにファットグリップをつけてみよう。通常グリップとは違った刺激が感じられる。

ハンマーカール

手のひらが身体の内側を向いた状態でダンベルカールを行う、ハンマーカールと呼ばれる種目だ。上腕二頭筋の外側にある長頭という筋肉や、上腕筋、前腕を鍛えることができる

このハンマーカールでも、ファットグリップの使用は効果的だ。

ダンベルでやってもいいし、ケーブルにファットグリップをつけて行うのも意外とおすすめの使い方である。

リバースカール

ピンポイントで前腕の筋肉に効かせることができるのが、リバースカールだ。手のひらを下に向けた状態でバーベルカールを行う種目である。

このリバースカールにファットグリップを使うことで、前腕をパンパンに追い込むことができるのだ。

前腕を鍛えたいなら、リバースカールは間違いなくおすすめである

ベンチプレスなどプレス系種目

ベンチプレスやナローベンチプレスなど、プレス系種目にもファットグリップは効果がある。

上で書いたように、これらの種目でファットグリップを使う目的は「より対象筋肉の収縮を意識すること」である。

なのでこの場合前腕は強く握らずに、少し握力をゆるめて行う。
なおかつ低〜中重量で、負荷のコントロールや対象筋肉の収縮を意識して行うのがポイントだ。

[aside type="normal"]ベンチプレスなどプレス系種目でファットグリップを使う場合は、慣れていない人は安全のためスミスマシン(軌道がフリーではなく固定されたマシン)でやることをおすすめする。[/aside]

上腕三頭筋のトレーニング

上腕三頭筋のトレーニングでも、ファットグリップを使用することで通常と異なる刺激が得られる。

毎回ではなく、たまに使用するのがいい。

下の動画では、寝そべってのダンベル・トライセプス・エクステンションにファットグリップを使用している(2分38秒〜)。

以上が、ファットグリップの使用をおすすめする種目、効果的な種目である。

この中でもやはり、上腕二頭筋と前腕を鍛える腕の種目に使うのが、効いている感覚も得られやすいので最もおすすめだ。

ただ自分が「使った方が効く!」と感じられれば、どんな種目に使ってもOKだ。胸のトレーニングで使ってもいいし、肩の種目で使ってみてもいいだろう。

[aside type="normal"]後述するが、背中の種目に使用することはあまりおすすめしない。[/aside]

ファットグリップの使い方

ファットグリップ

次に「どのようにファットグリップを使うのか?」、ファットグリップの3つの使い方を紹介しよう。

3つの使い方のうちどれか1つ、もしくは組み合わせて自分に合った方法を取り入れるのがベストだ。

[aside type="normal"]本来の意味の使い方は簡単なので、説明するまでもないだろう。ゴムの切れ目を広げてバーベルやダンベルにつけるだけである。[/aside]

1.使う期間と使わない期間をわける

1つ目の使い方が、使う期間と使わない期間を交互に設ける方法である。

例えば1ヶ月はファットグリップを使用したトレーニングを行い、次の1ヶ月は使用しないトレーニングを行う。
そうすることで、上で書いたように筋肉や脳を刺激に慣れさせない効果がある。

1ヶ月というのは例なので、例えば週ごとに変えるようにするのもいいだろう。

2.ウォームアップセットで使う

2つ目の使い方が、ウォームアップの1〜2セットだけファットグリップを使用して、メインセットは使わない方法である。

そうすることでメインセットで対象の筋肉をより意識しやすくなったり、通常のグリップでのメインセットが軽く感じるので、人によってはいつもよりできる回数が上がる場合もあるだろう。

それが筋肥大につながるのだ。

3.1種目だけファットグリップを使う

3つ目の使い方が、1つの部位につき1種目だけファットグリップを使ってトレーニングを行う方法である。

例えば背中のトレーニングなら「ラットプルダウンだけファットグリップを使う」、上腕二頭筋なら「ダンベルカールだけ使う」といった使い方だ。

ファットグリップの公式サイトによると、この方法はトレーニング初心者に特におすすめである。

トレーニング初心者の場合は、1種目ファットグリップのトレーニングを入れるだけでも、筋肉に十分いつもと違った刺激を与えられるからだ。

ファットグリップ使用時の注意点

ファットグリップ使用時の注意点を解説する。

背中の種目には使わない

ファットグリップを背中の種目で使用することはあまりおすすめしない

背中の種目でファットグリップを使うと、引くという動作に加えて、その特性上どうしても腕の方に意識がいってしまうからだ。
結果として背中から意識が逃げてしまう。

背中の筋トレに関しては、ファットグリップよりもパワーグリップやリストストラップを使うのが効果的である。

[kanren2 postid="3287"]

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[kanren2 postid="3520"]

反動は使わない

通常の筋トレでも当然そうだが、ファットグリップ使用時はいつも以上に反動を使わないように意識することが大事だ。

例えばバーベルカールなど腕の筋トレでは反動を使ってしまうと、せっかくファットグリップを使用することで得られる強い刺激が腕以外に逃げてしまう。

反動を使って上げるのは「もう上がらない!」ってなった最後の数回だけにしよう。

コントロールできる重量で行う

ファットグリップを使用したトレーニングでは、高重量ではなく丁寧にコントロールできる低~中重量で行うのがいい。

その方が、対象の筋肉を意識しやすく効果が高いからだ。また、高重量だとどうしても反動を使ってしまいがちになる。

「重たい重量を扱う」よりも、「効かせる」ことをいつも以上に意識しよう

ファットグリップの口コミ

ファットグリップを実際に使用してみた人の口コミを紹介する。

やはり、前腕もしくは上腕二頭筋の筋トレで使う人が多いようだ。

「いつもとは違う刺激がくる」「腕が焼け付くような感覚」など、効果も体感しやすいという口コミが目立つ。

また、「低~中重量で行うこと」「全てのセットで使わず、1~2種目だけや各種目1セットだけ使う」といった使い方をする人が多いようだ。

実際に使ってみた感想

実際に私がファットグリップを使用してみた感想だ。

家にあったダンベルに付けてみたところ、全く指が回らないほど思った以上に太いのがわかる。

ファットグリップ

効果を確かめるために、ダンベルカールをやってみた。

スタートポジションで、すでに前腕にけっこうな負荷がかかっているのが感じられる。

ファットグリップ

そして、スタートから肘を曲げていくにつれて、通常のダンベルカールよりも強烈な刺激が前腕と上腕二頭筋に効いているのが感じられた。

10kgのダンベルが12kgぐらいに感じられて、いつもなら20回できるはずだが15回しか上がらなかった。
腕の力以外を制限されているような感覚である。

ファットグリップ

ただグリップの太さが変わるだけで、これほど効果があるのは驚きだ。ジムでの使用はもちろん、ホームトレーニングでも重宝するだろう。

ファットグリップの購入方法は?

ファットグリップは、Amazonや楽天などのECショップから購入できる。

1年の保障もついていて、値段も約4,000円とそこまで高くはない。ちなみに私はAmazonから購入した。

[aside type="normal"]ファットグリップの横幅は12.7cmだ。ほとんどのダンベルに取り付け可能だが、家で使う場合は念のため横幅が合うか確認してから購入しよう。[/aside]

類似品に注意

ファットグリップで調べるといろいろなメーカーから販売されているが、「The Ultimate Arm Builder」のfat gripzが本家である(他のが偽物とまでは言わないが)。

1番作りもしっかりしていて間違いないので、これを強くおすすめする。上のリンクは、その本家fat gripzのファットグリップである。

さらに太いエクストリーム

さらにグリップが太い赤色の「Extreme(エクストリーム)」というのもあるが、かなり太いので青色で十分だろう。
(太さ→青:約5.7cm、赤:約7cm)

まずは青いのをずっと使ってみて、それでも物足りないようになったらそのときエクストリームの購入を検討しよう。

ファットグリップは筋トレ中~上級者におすすめ

以上が、ファットグリップの効果と使い方だ。

再度まとめると以下になる。

  • 効果
    →「前腕・上腕二頭筋を太くする」 「より筋肉の収縮を意識できる」 「筋肉への新鮮な刺激」
  • 使う筋トレ種目→最も効果を体感しやすいのは腕の筋トレ、しかし腕以外にも使える
  • 使い方
    →「使う期間と使わない期間を分ける」「ウォームアップセットで使用」「1種目だけ使用」
  • Amazonや楽天で、約4,000円で購入可

どんな人におすすめかというと、筋トレを始めたばかりという初心者には必要性は低い。

初心者はまずは通常のトレーニングをしっかり行って、フォームの基礎・身体づくりの土台を固めることが優先だからだ。

筋トレ中~上級者の方で、

腕を太くしたい(前腕と上腕二頭筋)」
握力を強くしたい
腕の筋肥大に伸び悩んでいるので、いつもと違うトレーニングを取り入れたい」
「全体的にトレーニングがマンネリ化してきた

という人は、ぜひファットグリップの効果を体感してみてほしい。

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